ネットフリックスのマニアックを観て。

マニアック(Maniac)を観ての率直な感想

マニアックを観てまず思ったことは、エマ・ストーンがやはりあらゆる女優の中でも僕のお気に入りの女優であり、今回も彼女の演技力に打ちのめされたということ、そしてこのドラマがすごく面倒臭くてすごく面白いドラマだったということです。

マニアック(Maniac)はどんなドラマか?

マニアックは、エマ・ストーンとジョナ・ヒルが主演を務めているドラマです。この豪華な二人の俳優がネットフリックスデビューしたということでも、題を呼んだようでした。ノルウェーのTVシリーズに基づいているというマニアックは、ネバディーン・バイオテックと呼ばれる日系製薬会社の実験にエマ・ストーンとジョナ・ヒル務める二人(アニーとオーウェン)が参加し、薬を飲んで精神世界を共有し、治験に生じた異常に巻き込まれるという感じのドラマです。

つまり、SFっちゃSFなんですよね。しかし、アニーとオーウェンが共有する世界というのがこれまた色々なジャンルをまたいでいて、80年代の世界にタイムスリップしてキツネザルを奪還するミッションが繰り広げられたと思ったら、ロード・オブ・ザ・リングの世界観も平然と登場する。ジャンルレスであり、そして何よりも「つながり」がテーマとなったヒューマンドラマが、マニアックなんです。その上、コメディ要素というか、ユーモアもたっぷり散りばめられています。

マニアック(Maniac)のキャストとは?

マニアックは、主人公のアニー・ランズバーグをエマ・ストーン(Emma Stone)が、オーウェン・ミルグリムをジョナ・ヒル(Jonah Hill)が演じています。二人はスーパーバッド(Superbad)という映画でも共演していますね。

さらに製薬会社ネバーディーンのジェームズ・マントルレイ医師をジャスティン・セロー (Justin Theroux)が、その母親で著名な療法士のグレタをあのサリー・フィールド(Sally Field)が演じています。

また、ラ・ラ・ランドでエマ・ストーンと共演していたソノヤ・ミズノ(Sonoya Mizuno)も、Dr. アズミ・フジタという重要な役所を演じています。その同僚のムラモト医師を神田 瀧夢が演じています。

そして監督は、日系の血も引くキャリー・フクナガ(Cary Fukunaga)。彼は007シリーズ25作目の監督となることも決まっているようですね。

マニアック(Maniac)のあらすじとは?

さて、マニアックというドラマのジャンルが訳わからないということはすでにお伝えした通りですが、ストーリーラインは以下のようになっています。ネタバレ注意です。

__________________________________________________________

妹の死にトラウマをもち境界性パーソナリティ障害を患うアニー・ランズバーグと、統合失調症と診断された大富豪の五男でセクハラスキャンダルから兄を守るべく偽のアリバイ証言をする予定となっているオーウェン・ミルグリム。

二人はいかなる心的病も治療できるという新薬の治験に参加する。オーウェンは兄ジェッドに髭が生えたグリムソンという幻想をみており、そのグリムソンによってアニーが彼が会うべきエージェントだと告げられる。

治験ではA・ B・ Cと役割の異なる薬を飲んでいき、治験者は幻想世界を旅する。実験をコントロールするのはGRTAと呼ばれるスーパーコンピューター。A錠を飲んだアニーは妹を亡くした自動車事故を再体験する。A薬はトラウマの表面化の役割がある。オーウェンはA錠を飲むふりをして飲まずにいた。

A錠での治験を終えた上で治験者はドクター・ムラモトから個別に質問を受ける。アニーに質問をしている間にドクター・ムラモトは突然死し、アニーとオーウェンは二人に出ていたネガティブな結果のファイルを隠蔽する。ドクター・アズミ・フジタはドクター・ムラモトの代役として、薬を開発した張本人であるドクター・ジェームスを呼び戻す (呼び戻されるシーンでジェームスはバーチャルな自慰行為を行っている笑)。

ジェームスによってGRTAにムラモトの死が告げられ、それによって異常が起き、これがB錠以降で二人の精神世界がシェアされるきっかけとなる。 B錠で共有した世界で二人は、リンとブルースという夫婦になっている。リンはホスピスで働いており、ナンという患者の要望に従いナンの娘にキツネザルのウェンディを届ける任務を果たそうとする。ウェンディは毛皮店によって盗まれており、リンとブルースはウェンディを奪還しようと動く。毛皮店によって二人は捕らえられるが、生物局が絡み毛皮店にて銃撃戦となる。銃撃戦の隙に二人はウェンディを奪還して逃げ、ナンの娘にウェンディを届ける。リンはナンが娘よりキツネザルを愛していたことを示すために届けてほしかったという真意を指摘するが、ナンの娘は妊娠中であることを告げる。その息子の名前は、アニーと妹をひいたトラック運転手の名前と一致している。リンとブルースは家に帰るも、ブルースが生物局に捕まってしまう。

それから世界観は同じくB錠の影響下にて、アーリーとオリーというぺてん師になっており、降霊会の行われるホームパーティに招かれる。彼らには、永遠の幻想に人々を閉じ込めると信じられているドン・キホーテの53章を手に入れる目的があった。降霊会の最中家を探す二人だが、突如アーリーが消えネバディーンのラボに瞬間移動している。現実世界のラボでは、アズミが治験者1と9、つまりアニーとオーウェンの不可解なつながりに気づく。

アニーはB薬影響下でのオーウェンとの共有体験によってオーウェンを近しく感じる。オーウェンは統合失調症の影響でアニーと夢の中で繋がっていると思い、治験への疑念が生じ始める。アズミはアニーとオーウェンの不可解なつながりがGRTAの悲しみによって引き起こされたと判断、基本的な感情をGRTAに埋め込んだことでドクター・ムラモトとGRTAの間に恋愛が生まれ、だからこそGRTAがドクター・ムラモトの死を悲しんでいることをジェームスに告げる。ジェームスは本当は連絡を取りたくない母親で著名なカウンセラーのグレタに電話をする。GRTAの知性とバーチャルイメージはグレタをモデルにしており、GRTAを治療するためにはグレタが必要だった。

一方治験者たちはC錠を飲み、治験の最終段階に入る。アニーは自身と妹がエルフとなった世界にいる。アニーはアンニア、妹はエリアという名前であり、妹はエルフの王女となっている。エリアは病を治すべく水に治癒力があると噂の雲の湖に行くことを目的としており、アンニアはエリアからお金をもらいガイドする役目を担う森林官。道中ノラ様と呼ばれる女王の一味に捕まり、そこでアンニアは鏡をのぞくことになる。そこに映ったのは幼い頃のアニーと妹であり、現実世界で自分が誰なのかをアニーは思い出す。一方のオーウェンはギャングの一味としてスパイになっている。レストランでオリヴィアという同級生に出会い、一緒に勉強することを約束する。

アニーは現実世界を思い出しつつも、まだ夢の世界にいる。アニーとエリアは雲の湖を探す旅を続ける。エリアも現実世界のアニーとエリーとしての過去を思い出し始める。ギャングのオーウェンは兄のジェッドが警察の犬として動いていることを知るが、ジェッドは殺される。それからオリヴィアに一緒に来るように言う。それから7人の子供に恵まれた二人だが、オーウェンはある日突然子供とオリヴィアを残して窓から飛び降りる。オーウェンはアニーのことを思い出しており、鷹に変身してアニーの夢の世界に瞬間移動する。アニーとエリーは雲の湖にたどり着く。そこはエリーが死んだ場所と一致している。そこに女王(GRTA)がやってきて、アニーにこの世界に永遠に残るように言う。エリーと一緒にいられると思い承諾したアニーだが、結局エリーと離されてしまう。一方のグレタは GRTAがムラモトの死によって人間不信に陥っており、治験者たちを精神世界に閉じ込めようとしていることを知る。

グレタはそのことをジェームスとアズミに警告する。ジェームスは突然盲目になる。GRTAはシステムを完全に支配しようとしてスタッフを部屋に閉じ込め、解除スイッチを引こうとしたスタッフを感電死させる。一方のアニーとオーウェンは、オーウェンがスノーリという殺人容疑をかけられたアイスランド人国連職員となった世界を共有している。彼はCIA工作員のアニーに救い出され、途中でグリムソンに出会い自分たちが誰なのかを思い出す。オーウェンはグリムソンと行動し、アニーはエリーを探しに行く。アニーはGRTAと出会い、説得を図る。その結果GRTAはエリーと去り、アニーはエリーに別れを告げる。オーウェンはミッション完遂のためにルービック・キューブを完成させる。これが引き金となり、グリムソンが消えるとともに現実世界でジェームスの視力は戻りアズミとジェームスはGRTAをシャットダウンさせることに成功。

被験者たちは眠りから醒め、治験が終了。報酬とともにネバディーンを後にする。オーウェンはアニーとの絆を認識しつつも、恋愛関係を迫ることはしないとして安心させる。一方のジェームスとアズミはネバーディーンから解雇され、グレタからもネバーディーンのCEOからも叱責を受けるが、恋心を取り戻しておりエレベーターでキスをする。アニーは仲直りをし、ソルトレイクシティに行くことを決意。オーウェンのことが頭から離れず誘うことを決めるが、ジェッドの裁判でオーウェンは真実を述べてしまい、精神病院に収容されていることをアニーは新聞で知る。精神病院に潜り込んだアニーはオーウェンを説得しようとする。オーウェンは試験が失敗に終わったと落ち込むが、アニーはオーウェンの説得に成功、二人は抜け出してソルトレイクシティに向かう。ジェームスとアズミも、二人で旅立つ。

__________________________________________________________

とマニアックのあらすじというか、がっつり最初から最後までをかいつまんでまとめてしまいましたが、このストーリーの流れを知った上でも観る価値は大いにあります。もちろん、ネタバレなしで観た上で整理して、もう一回観るのが一番おすすめです!(無責任)

マニアック(Maniac)の見所とは?

マニアックは、10話というテレビドラマにしては珍しく、精神病を治すための実験というSFをベースに、その中で色々な世界観が繰り広げられるドラマです。そのため、色々な映画を観ているような気分になれます。色々な世界の複合体、というのはキャリー・フクナガ自身が好きな表現のようですね。ちなみに彼は、マニアック2が実現したとしても監督を務めることはないと言っています。


色々な世界を旅する。これこそがフィクションのロマンとも言えますし、それを最もドラマティックな形で体験できるのが映像であるはずです。マニアックは、映画の凝縮された世界観とドラマの次が気になるワクワク感をいいとこ取りした作品であり、ネットフリックスの他のドラマとは異なる楽しみ方ができることでしょう。

繰り返しにはなりますが、エマ・ストーンとジョナ・ヒルの演技を楽しめるのは大きいかなと。僕は特にジョナ・ヒルが演じたアイスランド人スパイが気に入っています。デフォルトのオーウェンは疲弊していて退屈さそのものなのに、この役で一気にジョナ・ヒルらしさが爆発するのが魅力的です。

また、オーウェンは夢の世界で長髪のこともありますが、奇妙なだけに見えるこの点もオーウェンの心の中での憧れを示しているのかもしれません。また、キツネザルを探すのも奇妙ですが、アニーが現実世界で犬探しの貼り紙をする優しさにリンクします。このように、小さな点と点が繋がっているのも、マニアックの面白い部分です。

マニアック(Maniac)がおすすめの人とは?

マニアックはララランドを観た人にまずおすすめです。エマ・ストーンの魅力はララランドで12分に発揮されていますが、よりダークで人間味溢れるエマ・ストーンの演技力がマニアックでも12分に発揮されています。200%を超える女優、それがエマ・ストーンなのです。

エマ・ストーンが好きな人
・ララランドが好きな人
・童貞ウォーズを観た人 
・日本文化が好きな人
・予告編をみてつまんなそうと思った人
・ネットフリックスで新体験をしたい人

ネットフリックスのドラマというのは幻滅してしまうのも多いと聞いていますが、Maniacは幻滅するどころか感動が止まらず、もう一度観る価値が必然的に生じてしまうほどです。筋が気になるハラハラする側面もありますが、最後を知った上でももう一回観る価値は十分にあるのです。

それは、ストーリーの細部を詳しく確認したくなる上に、エマ・ストーンとジョナ・ヒルの演技に酔いしれたいからです。また、実験の中で二人の精神世界で繰り広げられる破茶滅茶な世界の中にお気に入りを見つけてしまえば、その世界観だけを繰り返しみても実に面白いことでしょう!

ところで、スーパーバッド童貞ウォーズをエミネムは200回近く見たっていうのは、本当なんですかね?

マニアック(Maniac)の弱点は?

マニアックの弱点は、やはり世界観がしっかりしているだけにとっつきにくい点にあるのではないでしょうか?1話目・2話目などは少々退屈に感じるかもしれません。しかし、話数が進むにつれて物語に入り込みやすくなります。

また、精神世界・深層心理をテーマにしているので、わけわかんないこういうのまじ無理という人はいるかもしれません。でもこういう系のドラマや映画を楽しく観るコツは、全てを理解しようとする完璧主義を捨てることだったりします。

マニアックの気になったセリフは?

マニアックのセリフの中でも、特に下記のセリフは印象に残っています。

オーウェン:Annie, are you okay?

マイケル、ジャクソン。

マニアックの総評は?

ネットフリックスのドラマは一般的にくだらなく、最後まで見続ける価値が低いと酷評されることも多い気がします。そんな中で、マニアックはダントツでお勧めできるドラマだと言えます。テレビドラマの概念を覆してくれる上に、演技でもっていかれる、その上一話完結型ではなく10話まで見続ける必要性が生じる。これらの点を踏まえ、非常に完成されたドラマであると感じました。

 

ネットフリックスでドラマを見たいけれど、ありきたりなものは嫌だというときにはまさにぴったりでしょう。エマ・ストーンとジョナ・ヒル、そして素晴らしい製作陣が切り開いた新たなネットフリックスの境地。日本語的「マニアック」なドラマでたまらなく楽しい上に、精神疾患的意味合いを含む原語の「Maniac」というテーマをしっかり掘り下げたかなりタイトな仕上がりのドラマです。すごく面倒臭いけれどすごく楽しめる、それがマニアックというドラマです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする